それから [book]
~あらすじ~
大学を卒業した後、現代でいうニート(当時は高等遊民といったようです)のような生活を送る代助は、明治維新後に成功した実業家である父から毎月の小遣いを貰い、家を構え、書生を置き、下女を雇うというゆとりのある生活を送っていた。
そのような生活を続け一向に身を固める気配のない代助は、父や兄(+嫂)から繰り返し縁談を薦められていたものの、それを断り続けていた。しかしそんな時、代助の旧友 平岡夫婦が帰京し代助の心境に変化を及ぼす。
代助は嘗て平岡との友情を選び三千代を平岡に周旋したいたが、夫婦生活が破綻し不幸の影がみえる三千代に同情し、やがて平岡からの奪還を計画する。しかし、不義を貫けば代助の平穏な生活の崩壊は目に見えている。代助は悩んだ末に・・・
ザ・コストカッター [book]
~あらすじ~
総合スポーツ用品メーカーである「極東スポーツ」は、業績の低迷から米系投資ファンド「ボストン・インベストメンツ」に買収されており、同社の指名する人物(蛭田)を社長として迎えることとなった。
このニュースを目にした空売り専業ファンド「パンゲア&カンパニー」の北川らは、既にリストラを済ませている「極東スポーツ」とコストカッター蛭田の相性の悪さを見抜き同社の空売りを開始する。
株価向上のため、工場の閉鎖、社員の大量解雇等、超短期の利益計上のみを追求する蛭田と、破綻を見越して空売りをしかける北川らの戦いは壮絶を極めるが・・・
タグ:ザ・コストカッター
Story Seller 3 [book]
Story Seller、Story Seller 2に続いて、Story Seller 3を読んでみました。
今作も、沢木耕太郎著「男派と女派 ポーカー・フェース」、近藤史恵著「ゴールよりももっと遠く」、湊かなえ著「楽園」、有川浩著「作家的一週間」、米澤穂信著「満願」、佐藤友哉著「555のコッペン」、さだまさし著「片恋」からなる短編集です。
Story Seller 2は、前作の反応が良かったので“人気作家を集めてシリーズ化してみました”というやっつけ感が漂っていたのに対し、今作は前作から連投の近藤、有川、米澤3氏の作品の完成度も高かったように感じられました。
特に有川浩著の「作家的一週間」などは、作家と編集者間で交わされる速い展開と軽妙な話題により、短編らしく読みやすい作品に仕上がっていたのに加え、『告白』著者の湊さんの「楽園」も個人的には好きなテンポの作品でした。
ただ、最大の収穫は作家「さだまさし」と出会えたことでした。映画化された『アントキノイノチ』など、結構な数の本を出されていることは知っていましたが、“歌の片手間で有名人が書いた本なのだろう”と、これまで手に取ることはありませんでした。
しかし、今回の「片恋」は随分と強引な設定ではありますが、「さだまさし」さんらしい切ない恋心が丁寧に描写されており、一度、長編を読んでみようという気にさせられました。
残念ながらStory Seller 4は出版されないとのことですが、同様のシリーズで「Fantasy Seller」「Mystery Seller」なんて本も出ているようなので、近いうちに読んでみたいと思います。
空飛ぶタイヤ [book]
Story Seller 2 [book]
先月読んだStory Seller に続いて、Story Seller 2を読んでみました。
今作も、沢木耕太郎著「ポーカー・フェース」、伊坂幸太郎著「合コンの話」、近藤史恵著「レミング」、有川浩著「ヒトモドキ」、米澤穂信著「リカーシブル――リブート」、佐藤友哉著「444のイッペン」、本多孝好著「日曜日のヤドカリ」からなる短編集。
ただ、短編集という割には、「レミング」と「444のイッペン」は前作の続編。「リカーシブル――リブート」は著者の長編の冒頭部分とのことで、純粋な読みきりの短編作品は「合コンの話」、「ヒトモドキ」、「日曜日のヤドカリ」の3点のみでした。
で、感想としては伊坂さんの「合コンの話」は文句なしに面白い。本多さんの「日曜日のヤドカリ」は、そこそこ面白いと言えるものの、他は「うーん・・・」といった感じで、前作が5点満点中4.5点くらいだったのに対し、今作は3点といった印象です。
既にStory Seller 3も出版されていますが、読むべきか読まざるべきか。(ただ、短編集は時間がない時にも手に取ることが出来て、なかなか重宝しています)
鉄の骨 [book]
排出権商人 [book]
~あらすじ~
大手エンジニアリング会社社員の松川冴子が、排出権を扱う地球環境室の初代室長に任命され、試行錯誤しながらも排出権ビジネスを確立していく様子を描いている。
冴子を中心とする地球環境室では、マレーシアの養豚場に始まり、中国の炭鉱、風力発電所等における温室効果ガスの削減により発生する排出権を日本の電力会社等に販売するビジネスを軌道に載せる。
ただ、その間、冴子らの会社「新日本エンジニアリング」は、アメリカの空売り専業ファンド「パンゲア&カンパニー」から執拗に空売りを仕掛けられ・・・
Story Seller [book]
伊坂幸太郎著「首折り男の周辺」、近藤史恵著「プロトンの中の孤独」、有川浩著「ストーリー・セラー」、米澤穂信著「玉野五十鈴の誉れ」、佐藤友哉著「333のテッペン」、道尾秀介著「光の箱」、本多孝好著「ここじゃない場所」と人気作家の短編を集めた作品。
表紙に“読み応えは長編並、読みやすさは短編並”とありましたが、確かに消化不良に終わることも多い短編集でありながら、其々、満足感の高い作品が並んでおり、特に読んだことのない作家の試読には最適です。
個人的には、少々青臭い感じもする「プロトンの中の孤独」と、じわっと暖かい気持ちになれる「ストーリー・セラー」が気に入ったため、近いうちに近藤作品と有川作品を探してみようと思います。
また、既にStory Seller2、3と出版されているようなので、そちらも読んでみようと思います。
タグ:Story Seller
モダンタイムス [book]
~あらすじ~
『魔王』の50年後の世界で、今から数十年後との設定。
システムエンジニアの渡辺は、とある出会い系サイトの仕事を担当するが、そのサイトでは“播磨崎中学校”“安藤商会”等、明らかに出会い系サイトには関係のない単語の検索すると辿り着くような設定となっていることが分かる。
同サイトの仕事では、渡辺の会社の先輩「五反田」が担当中に失踪するという出来事が起こっており、五反田からの電話では「見て見ぬふりも勇気」との助言も得ていたが、渡辺の後輩「大石倉之助」らは“検索”を行い事件に巻き込まれていく・・・