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それから [book]


それから (新潮文庫)

それから (新潮文庫)

  • 作者: 夏目 漱石
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1985/09/15
  • メディア: 文庫


~あらすじ~
大学を卒業した後、現代でいうニート(当時は高等遊民といったようです)のような生活を送る代助は、明治維新後に成功した実業家である父から毎月の小遣いを貰い、家を構え、書生を置き、下女を雇うというゆとりのある生活を送っていた。

そのような生活を続け一向に身を固める気配のない代助は、父や兄(+嫂)から繰り返し縁談を薦められていたものの、それを断り続けていた。しかしそんな時、代助の旧友 平岡夫婦が帰京し代助の心境に変化を及ぼす。

代助は嘗て平岡との友情を選び三千代を平岡に周旋したいたが、夫婦生活が破綻し不幸の影がみえる三千代に同情し、やがて平岡からの奪還を計画する。しかし、不義を貫けば代助の平穏な生活の崩壊は目に見えている。代助は悩んだ末に・・・

~感想~(内容に関する記述あり)
ちょっとした調べものを兼ねて夏目漱石の『それから』を読みました。この作品は『三四郎』『それから』『門』の前期3部作の一つで、前後作と同様、東京朝日新聞と大阪朝日新聞に掲載されていたとのこと。(日経に連載された『失楽園』等のような位置づけだったのでしょうか)

で、本題は離婚が認められない世の中で、自身の安穏とした生活を投げ打ってまで、嘗て想いを寄せていた女性を選ぶのか否かという話。結局、代助が三千代を選び父から勘当された後の生活は描かれていませんが、まあ、収入が途絶え無職の彼の生活が傾くのは確実なのでしょう。

時代背景が現在とは大きく異なるため、“明治の若者はこんなだったのかぁ”といったところが正直な感想ですが、本作の続編という『門』の内容が非常に気になる終わり方でした。

恥ずかしながら、夏目漱石作品は『坊っちゃん』と『我輩は猫である』しか読んだことがなかったのですが、時間を見つけて『三四郎』と『門』も読んでみたいですね。

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コメント 6

cookie

こんにちは、今ちょうど姜尚中の続・悩む力を読んでいたので、夏目漱石の
ことがピンときました、私も真似して読んでみようと思います^_^;
by cookie (2012-07-20 07:39) 

Far-East

暑い季節にこういう本を読めるとはすごいですね。
最近の日本文学はコミックで読めるので
最初にひとおりマンガで理解してから
文庫を買って読んで・・ていう風にしないと
頭に入らないです。。
by Far-East (2012-07-20 11:10) 

あるふぁ

>cookieさん
では、私も真似して『続・悩む力』を読んでみま~す。
by あるふぁ (2012-07-21 10:02) 

あるふぁ

>Far-Eastさん
確かに古い言い回しが多く、少々、読書のペースが落ちたり
しましたが、たまにはこういった作品に触れるのも良いです
よね。(読んでみると、話の内容はそんなに固い話ではない
ですし)
by あるふぁ (2012-07-21 10:04) 

みかん

夏目漱石、恥ずかしながら私もトライしてみたものの
途中で挫折・・・ というのが多かったです^^;
読書の夏。 昔も今も、人間の悩みは変わらないとか、
発見するとなんだかホッとしますね。 
by みかん (2012-07-22 04:53) 

あるふぁ

>みかんさん
今から120~130年前。私からすると高祖父母とかの世代になる
のでしょうか。
>昔も今も、人間の悩みは変わらないとか、発見するとなんだか
>ホッとしますね。
本当に人間の悩みは変わらないのですね。
by あるふぁ (2012-07-28 22:19) 

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