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アジアの隼 [book]


アジアの隼 (講談社文庫)

アジアの隼 (講談社文庫)

  • 作者: 黒木 亮
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/12/12
  • メディア: 文庫


~あらすじ~
日本長期債券銀行でアジア地区を担当していた真理戸は、他のアジア諸国に続き経済が沸騰しつつあるベトナムに駐在員事務所を開設すべく送り込まれる。そこでは社会主義国ならではの悪習、ベトナム公務員のたかり体質、欧米投資銀行との激しい競争などの障害が待ち受けていた。

そんな数々の試練を乗り越えつつ、駐在員事務所の開設に漕ぎ着け、さらに総額6億ドルのビックディール獲得に向け孤軍奮闘する真理戸を、今度はアジア通貨危機の波が襲う。また、並行してアジアブームに翻弄された香港の証券会社「ペレグリン」の栄枯盛衰が紹介されている。

~感想~(内容に関する記述あり)


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終末のフール [book]


終末のフール (集英社文庫)

終末のフール (集英社文庫)

  • 作者: 伊坂 幸太郎
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2009/06/26
  • メディア: 文庫



「終末のフール」「太陽のシール」「籠城のビール」「冬眠のガール」「鋼鉄のウール」「天体のヨール」「演劇のオール」「深海のポール」からなる短編集。

各物語とも“8年後に小惑星が衝突し地球が滅亡すると発表されてから5年後の世界”を描いており、其々、反目する親子、妊娠に戸惑う夫婦、復讐を誓う兄弟、出会いを求める女性、強さを求める少年、世を儚む男性、人との繋がりを求める女性、家族を支える男性を中心に、残り3年となった世界での生き方を綴っている。

誰かが病気になるような話と異なり、登場人物全てが余命3年と告げられているなかでの物語ではあるが、どの話も限られた時間をいかに生きるか、悩み、苦しみながらも、最終的には運命を受け入れ前向きに生きていく姿が描かれて良い話ではあった。

ただ、今作については、これらのタイトルをつけて連続短編集を書くという企画ありきだったのだと思われるが、これまで読んできた伊坂作品と比較すると、物語に引き込まれるような展開力が弱く、正直なところ少し物足りなく感じられた。

という訳で、このちょっと残念な気持ちをはらすべく、近いうちに別の伊坂作品を読んでみたいと思います。

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野村ボヤキ語録 [book]


野村ボヤキ語録  人を変える言葉、人を動かす言葉 (角川oneテーマ21)

野村ボヤキ語録 人を変える言葉、人を動かす言葉 (角川oneテーマ21)

  • 作者: 野村 克也
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/01/08
  • メディア: 新書


人に勧められ自分ではあまり手に取らない種類の本を読みました。

ボヤキ語録というよりは、南海時代の江夏、江本、門田選手、ヤクルト時代の古田選手、阪神時代の新庄選手、楽天時代の山崎選手などとのやりとりを通じ、其々のタイプに応じた叱り方、誉め方等について解説されていました。

少々長いですが、よろしければ続きをどうぞ


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レッドゾーン [book]


レッドゾーン(上) (講談社文庫)

レッドゾーン(上) (講談社文庫)

  • 作者: 真山 仁
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/06/15
  • メディア: 文庫


~あらすじ~
投資ファンド サムライキャピタルの社長である鷲津政彦は、上海の買収王 賀一華にTOBを仕掛けられたアカマ自動車社長の古屋から相談を受ける。鷲津はTOBの黒幕が中国の国家ファンドCICであると推測するものの、彼の持つ情報網を持ってしても全体像が把握できないでいた。

やがて鷲津はアカマ自動車の「白馬の騎士(ホワイトナイト)」として矢面に立つのだが、アカマ自動車の内紛、アメリカ最大のレバレッジ・ファンドであるKKLの登場、本音を見せない香港の大財閥の怪しい動きなど多くの困難が彼に襲いかかる。

~感想~(内容に関する記述あり)


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深夜特急6 [book]


深夜特急〈6〉南ヨーロッパ・ロンドン (新潮文庫)

深夜特急〈6〉南ヨーロッパ・ロンドン (新潮文庫)

  • 作者: 沢木 耕太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1994/05
  • メディア: 文庫


~あらすじ~
著者の沢木耕太郎がインドのデリーからロンドンまでをバスで旅する紀行小説。6巻はイタリアからフランス、スペインを経てポルトガルへ、その後フランスに戻り目的地であるロンドンに向かう旅を綴っている。

~感想~
10数年前に6巻の途中まで読み読了せずにいたため、最終的にロンドンに着いたのかどうか分からずじまいであったが、今回はロンドンまでの旅を無事に見届けることができた。

ただ、沢木氏自身も触れていることだが、香港やインドを旅していた頃と比べると、その後の行程はなかなか熱気が伝わってくるようなこともなく、淡々と前に進む旅だったように感じられた。

6巻の旅の中では「サグレスの町で『サグレス』というビールを飲んでみたくなった」との理由で、ポルトガルの片田舎の町を訪れるのだが、個人的にはこのような気ままな旅が好きで自分の学生時代を思い出したりもした。

正直なところ後半は読了するためだけにページを捲っていたような気がするが、これは沢木氏の旅への熱意の低下によるのか、今の自分にこのような旅への欲求が無くなっているからなのか分からないが、10数年前に読んだ際は旅の中盤まで一気に読み進めた記憶があるため、残念ながら自分が年を重ねたことが理由なのかもしれない。

本の中では「26歳までに海外に出るべき」ということが書かれていたが、この本を読む時期についても30歳位までの若い人ほど多くのことを感じられるのではないかと思った。私も、もう少し心に余裕のある時に読み返すか、大沢たかお主演で映像化されているという作品を見てみたい。

タグ:深夜特急
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深夜特急5 [book]


深夜特急〈5〉トルコ・ギリシャ・地中海 (新潮文庫)

深夜特急〈5〉トルコ・ギリシャ・地中海 (新潮文庫)

  • 作者: 沢木 耕太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1994/05
  • メディア: 文庫


~あらすじ~
著者の沢木耕太郎がインドのデリーからロンドンまでをバスで旅する紀行小説。5巻はイランからトルコ、ギリシャを経てイタリア行きの船上までの旅を綴っている。

~感想~
これまでの国々でもあったことだが、トルコ、ギリシャでも沢木氏は若者から老人まで様々な現地の人々にお茶をご馳走になっている。それ以外にも、バスでの旅では度々同乗者から質問攻めにあっていたようである。

翻って日本に来る外国人と日本人の関係を考えてみると、そんなに外国人旅行者に関心を持ち、親切に振る舞っている日本人はいないのではないだろうか。少なくとも、私は外国人旅行者に声を掛けたことはない。

当然、旅行者が珍しかった時代と現代の違い、島国に暮らす日本人の国民性、英語に対する苦手意識等、様々な要因はあるのだろうが、やはり一番大きな点は他人に無関心なことなのでしょうか。

国は観光客を誘致し、また外国人留学生の増加促進策に補助金をつけるなど、外国人誘致に励んできましたが、今回の震災、それに続く原発事故により外国人の入国はめっきり減っているようです。天災は仕方の無いことですが、原発事故による放射線問題は1日も早く解決させてほしいところです。

ところで、次巻はようやく最終巻のヨーロッパ編。残り少なくなった旅を楽しみたいと思います。

タグ:深夜特急
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深夜特急4 [book]


深夜特急〈4〉シルクロード (新潮文庫)

深夜特急〈4〉シルクロード (新潮文庫)

  • 作者: 沢木 耕太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1994/04
  • メディア: 文庫


~あらすじ~
著者の沢木耕太郎がインドのデリーからロンドンまでをバスで旅する紀行小説。4巻はインドからパキスタン、アフガニスタンを経てイランに至るまでの旅を綴っている。

~感想~
インドでの描写で、“抱き上げた子どもが天然痘か水痘かに罹っていたらしく、水疱が潰れて出た水分がつたってきた際に、ギクッとしたものの慌てて両親に突き返そうという気にはならなかった”という標記があった。

そのときの感覚として、「天然痘にしたところで、いくらインド全土で何十万、何百万の人が罹っているといっても、残りの5億人は罹っていないのだ。そうであるなら、インドをただ歩いているにすぎない私が感染したとすれば、それはその病気によほど『縁』があったと思うより仕方がない。」といった、ある種の諦観のようなものができていたと語っている。

これは沢木氏がもとから持っていた資質なのか、旅のなかで身に付けたものなのかは分からないが、確かにそのような感覚を持てなければドミトリーを転々としながらの旅などは続けられなかったのであろう。残念ながら私はそのような感覚を持ち合わせていないが、この境地に辿り着くと怖いものはないのだろうと感心した。

あと印象に残ったのは『ペルシャ逸話集』のなかで王が子に残したという言葉であった。「いかに若くとも栄光ある神を忘れるな、死に対して安心するな、死は老若の区別をつけないからだ」と語った後、「若いうちは若者らしく、年をとったら年寄りらしくせよ。」と語られている。

「年をとったら年寄りらしく」・・・ まだ先のこととはいえ、しっかり受け止めるのは難しそうですね。

タグ:深夜特急
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深夜特急3 [book]


深夜特急〈3〉インド・ネパール (新潮文庫)

深夜特急〈3〉インド・ネパール (新潮文庫)

  • 作者: 沢木 耕太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1994/04
  • メディア: 文庫


~あらすじ~
著者の沢木耕太郎がインドのデリーからロンドンまでをバスで旅する紀行小説。3巻はインドのカルカッタからスタートした後、ネパールを経由し、本来のスタート地であるデリーに到着するまでの旅を綴っている。

~感想~
3巻の巻末で、ようやく旅本来のスタート地であるデリーに到着することとなる。

1巻・2巻のアジア・東南アジア編からインドへと旅を進めるにしたがい、どんどん貧しい国へと突き進んできた感じだが、この本では最貧国のように記述されているインドに、先日、フェラーリディーラーがオープンしたとの報道に接し、沢木氏の描写と比較し隔世の感を覚えた。(本の内容とは全く関係ありませんが・・・)

その貧しい時代のインド紀行において印象的であったのは、やはりカーストに関する記述であった。最近では、以前ほど厳しくないとは聞いていたものの、現在の状況を改めて調べてみると農村地帯を中心に今も厳然と制度が残っているとのことであった。

ただ多少救われるのは、インドで急速に発展しているIT産業等、古来のカーストに存在しなかった職業においては、その影響が確実に小さくなってきているとのことなので、この不当な差別が1日も早くなくなることを期待したい。

それにしても、これだけ非衛生的な旅を続けながら、日本を出て半年後に初めて体調を崩したという沢木氏は本当にタフだったのですね。。。


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深夜特急2 [book]


深夜特急〈2〉マレー半島・シンガポール (新潮文庫)

深夜特急〈2〉マレー半島・シンガポール (新潮文庫)

  • 作者: 沢木 耕太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1994/03
  • メディア: 文庫


~あらすじ~
著者の沢木耕太郎がインドのデリーからロンドンまでをバスで旅する紀行小説。1巻の香港・マカオに続き、2巻ではタイ・マレーシア・シンガポールの旅を綴っている。

~感想~
2巻も前巻に引き続き本来のスタート地であるデリー到着前の物語。ただ、街の熱気溢れる香港、カジノの魅力に取り憑かれたマカオと比べると全体的に盛り上がりに欠ける旅であった。

著者自身が「香港の熱気を求める余り各国・地域の魅力に気付けなかった」と振り返っているが、魅力を感じないまま巡った地域の紀行文に魅力があるはずもなく、淡々と先を目指す旅に付き合わされた感じであった。

第3巻で始まるインドからの旅に期待することとしたい。


~追記~
1巻・2巻と読んできて気になったのは、これら発展途上にあった国・地域のその後の様子であった。希望としては、沢木氏自身が再訪した感想を聞いてみたいが、難しいようであれば別の誰かに彼の旅を辿ってもらい紀行文として紹介して欲しい。

タグ:深夜特急
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深夜特急1 [book]


深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)

深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)

  • 作者: 沢木 耕太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1994/03
  • メディア: 文庫


~あらすじ~
著者の沢木耕太郎がインドのデリーからロンドンまでをバスで旅する紀行小説。第1巻はスタート地であるインドの回想シーンから始まり、更にインド到着前に立ち寄った香港・マカオの旅を遡って紹介している。

~感想~
深夜特急は今から10数年前、大学卒業後すぐの頃に1度手に取っている。その際、どういう訳か最終巻の6巻の途中で読むのを止めており、それ以降も読了していないことが気になっていた。そのため、今回、実家でたまたまこの本を見つけたのを期に改めて1巻から読み返すことにした。

私は香港にもマカオにも行ったことはないのだが、10数年前の記憶が蘇り久々に香港の雑踏に帰ってきた気がするから不思議である。当時も既に社会人になっており、フラッと一人で香港を訪れるのは難しかったが、もう少し早く学生時代にこの本と出合っていれば、ユーラシア大陸横断はともかく少なくとも香港には訪れていたであろうと思わせるほど魅力溢れる旅であった。

今となっては、とにかく“イタリアの食事が美味しい”など、断片的な記憶しか残っていないが、今から旅の続きが楽しみである。そして今度こそ旅のゴールまで見届けたい。
タグ:深夜特急
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