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鉄の骨 [book]


鉄の骨 (講談社文庫)

鉄の骨 (講談社文庫)

  • 作者: 池井戸 潤
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/11/15
  • メディア: 文庫


大学の建築学科を卒業し中堅ゼネコン一松組でマンション建築に携わっていた富島平太は、本社業務課への異動を命じられる。

一松組における業務課とは、公共事業などの大口工事を担当する営業組織であるが、裏では談合課とも揶揄される部署で、平太も否応なく業界の暗部へと足を踏み入れることに。

そんな時、経営の傾く一松組を救うかもしれない大型プロジェクト「地下鉄延伸工事」の入札が行われることになり、平太等は総力を結集し一番札を目指すが、裏では大手ゼネコンや大物フィクサーの三橋が動き、更にはそこに検察の捜査が・・・

~感想~(内容に関する記述あり)

内容としては、談合に反発しつつもそれに手を染めていく若手ゼネコン社員が、業界フィクサーと出合い談合の渦に巻き込まれていくというありがちな話ではあったが、銀行マン出身の著者が銀行員の視点で見たゼネコンを詳細に描いており、なかなか読みごたえがあった。

社会悪に手を染める企業人の葛藤、またその際に大物フィクサーに可愛がられる展開等は、『金融腐蝕列島』の竹中と児玉の関係にも似ている話であったが、常にエリート社員を描く高杉作品と異なり、若者がもがき苦しみながら前へ進んでいくストーリーにも好感が持てた。

これまで、なんとなく手に取ることのなかった池井戸作品ですが、これから少しずつ読み進めてみたいと思います。


最後に。 あとがきの解説で紹介されていましたが、この本は当初、著者が『走れ平太』という題名を考えていたのに対し、担当編集者が反対して『鉄の骨』と改められたそうです。改めて編集者の仕事の重要性に気付いたのと同時に、その担当編集者に拍手を送りたいと思います。

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コメント 4

kuwachan

おはようございます。
確か図書館に予約したと思うですが
まだ連絡が来ません(T_T)
by kuwachan (2012-01-17 06:39) 

mipoko

あるふぁさんは時間の使い方が上手いんですね♪
お仕事で海外に行ったり、素敵なご家族と素敵な車で出掛けたり
美味しい物や美味しいワインを楽しんだり大忙しなのに
本を読んで感想まで書けちゃうんだから! 凄い!!
by mipoko (2012-01-17 23:34) 

あるふぁ

>kuwachanさん
恥ずかしながら、学生時代以来、図書館に足を
踏み入れたことがありませんが、最近は予約す
ると、連絡をくれたりするのですね。(私も家に
本がたまる一方なので、今度、覗いてみようと
思います)
by あるふぁ (2012-01-18 08:23) 

あるふぁ

>mipokoさん
こんなつたない感想文を載せていて恥ずかしい気も
するのですが、ここに書いておくと何となく記憶に残
るので、つらつらと書いてみています。
以前は、書店でサラッと目を通して買って帰ったら、
既に既読で、家の本棚に並んでいたなんてことも
あったので・・・
by あるふぁ (2012-01-18 08:30) 

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